好きだなあ アイアン・スカイ

アイアン・スカイ IRON SKY 【iTunes】

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 徹底的にこだわって作られた愛すべき「おバカ映画」である。個人的には今年になってから見た映画の中で一番のインパクトがあった作品。
 第二次大戦中に目撃されたUFOはナチス・ドイツが秘密裏に開発したものであったとか、ナチの秘密基地が月面の裏側にあるとかいう噂話はオカルトファンの間では有名だったのだが、その荒唐無稽な噂話を近未来に蘇らせたのがこの作品。第二次大戦中に地球を逃れ、月面の裏側に秘密基地を作って地球への侵攻を企てていたナチの残党が、アメリカの打ち上げた有人探査船の黒人宇宙飛行士ジェームズ・ワシントンを捕らえたところから物語は始まる。ジェームズの持っていた iPhone がナチの巨大宇宙船「神々の黄昏」をコントロールするのに必要だというので、月面親衛隊准将クラウスが「白人化薬」で白人化されたジェームズを連れてUFOでニューヨークへ降り立つ。ジェームズと自分たちの過ちを知ったナチの地球学者レナーテは、ナチの地球侵略を阻止するため、大統領選の再選をねらう女性大統領や選挙参謀のヴィヴィアンと手を組んだクラスと戦うことになる。
 製作国にドイツが名を連ねているのは驚きで、彼らは自分たちの過去の過ちを、戯画化しながらも決して目をそらすことなくしっかりと描き、さらにアメリカの帝国主義を痛烈に皮肉っている。もちろん、皮肉られているのはアメリカだけではなく、(日本も含めて)自国の利益ばかりを追い求める世界各国も同様。国連会議のバカげたやりとりが最高に笑える。ハリウッドが作ったのではこうはいかなかったと思われる辛辣なジョークが全編にわたって詰め込まれ、ニヤリとさせられるシーンの連続なのだ。
 日本にもアイディアが秀逸な作品は多いが、製作費も含めてここまで徹底して作ることができないのが残念。この作品はSF映画として見てもCGやVFXに安っぽさが感じられない。それでいてアナクロな雰囲気もたっぷりで、計算され尽くしている印象がある。
 特典映像が収録されているのであれば、BDでぜひ入手しておきたい作品である。

作品データ
監督:ティモ・ブオレンソラ 出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービイ他
製作年:2012年 製作国:フィンランド、ドイツ、オーストラリア



アイアン・スカイ(Blu-ray Disc)
松竹
2013-07-26

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