出来過ぎだけど インポッシブル

インポッシブル Lo Imposible 【iTunes】

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 津波といえば、最近では2010年の「ヒアアフター」が記憶に新しいが、あの作品の場合は臨死体験がメインであり、津波そのものを描いた作品としては、東日本大震災以降ではこの「インポッシブル」が最も直接的なものといえそうだ。
 実際の恐ろしさを再現することは不可能であり、被災者の感情からすれば正視に耐えないところもあるだろうが、スペクタクル映画やアクション映画とは違う「恐ろしさ」を伝えることには成功しているように思う。また、ナオミ・ワッツ演じるマリアが胸や脚に大きな傷を負いながら助けを求めてさまようシーンは、その辺のスプラッター映画などよりもよっぽど痛々しい。最終的に一家全員が助かるというストーリーは都合がよすぎたかもしれないが、未曾有の災害に見舞われても、自分や家族のためだけではなく、自分ができることを精一杯しなければならないというメッセージは十分に伝わってきた。ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガーという有名俳優を起用したにもかかわらず、彼らに超人的な活躍をさせることもなく、子役を中心に物語を展開させたことも評価できる。ちなみにナオミ・ワッツという女優は、完璧な美人を演じるよりも、傷を負っていたり、どこか汚れたりしている方が魅力的に感じられる。

 スマトラ島沖地震が起きたのは2004年12月26日で、私はその10日後に仕事でバンコクを訪れている。ドンムアン空港には各国からの援助隊や物資が届いており、TVのニュースでも津波のことばかり放送していたのだが、バンコクでは直接的な影響は感じられず、それほど深刻さを感じることはなかった。ところが、東日本大震災を体験したいまとなっては、あまりに自分が鈍感だったと感じ、こういう作品を見ても様々なことを考えさせられる。
 体験しなければ分からないということではダメなのだ。我々は、世の中のことにもっともっと想像力を働かせなくてはならない。

作品データ
監督:J・A・バヨナ 出演:ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガー他
製作年:2012年 製作国:スペイン


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