猿の演技力 猿の惑星:新世紀

猿の惑星:新世紀 DAWN OF THE PLANET OF THE APES 【iTunes】

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 1968年の 「猿の惑星」に始まる有名シリーズをリブートした2011年の「猿の惑星:創世記」の続編。2001年にはティム・バートン監督の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」も公開されたが、この新シリーズは地球が「猿の惑星」になる端緒が描かれている。

 遺伝子治療薬ALZ112により高い知能を持ったシーザーが仲間とともにミュアウッヅの森に逃げ込んでから10年後、人類はALZ113ウィルスによる「猿インフルエンザ」によって絶滅の危機に瀕していた。一方、猿たちはシーザーをリーダーに平和的な社会を作って暮らしていたが、ある日、彼らのテリトリーに人間たちが侵入する。マルコム(ジェイソン・クラーク)をリーダーとする一行は、生き残ってサンフランシスコに暮らしている人々に電力を供給するため、猿のテリトリーにある水力発電所を稼働させようとしていた。シーザーは人間の生存のために水力発電所での作業を許可するが、かつて実験動物として人間に苦しめられた過去を持つボノボのコバは、シーザーに反発し、人間と戦うことを主張する。

 およそ40年前にTVの深夜映画で見た「猿の惑星」のラストの衝撃は忘れることができない。続編はほとんど見た記憶もないのだが、「2001年宇宙の旅」に並ぶSF映画の名作と言っていいだろう。しかし、そうなるとリメイクやリブートするハードルは高くなり、監督の手腕が問われることになる。ティム・バートン監督の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」も監督曰く「リ・イマジネーション」とは言いながら、基本的にはオリジナルを踏襲した印象だった。しかし、新シリーズの「猿の惑星:創世記」と「猿の惑星:新世紀」にはそれまでの作品とは決定的な違いがある。それは擬人化の有無とでも言えばいいのだろうか。それまでの作品に出てくる猿人は、人間の顔がそのまま猿に入れ替わったものだったが、新シリーズでは類人猿そのものが言葉を話し、手話を操る。もちろん、モーション・キャプチャーによるアンディ・サーキスの演技なのだが、まさに猿が演技をしているようなものなのだ。それはそれで面白いのだが、この「猿の惑星:新世紀」では、やたらと猿同士のやりとりが多く、豊かな感情表現を見ているうちに猿に感情移入してしまい、そのことに気づいて居心地の悪さを感じてしまう。

 猿を擬人化するところにあったオリジナルの面白さや皮肉が新シリーズにはなく、その点は評価が分かれるところだろう。オリジナルは「猿のふり見て人間のふり直せ」がテーマだったが、新シリーズでは「人間のふり見て猿のふり直せ」という逆転現象が起こってしまったところが面白い。

作品データ
監督:マット・リーヴス 出演:ジェイソン・クラーク、アンディ・サーキス、ゲイリー・オールドマン他
製作年:2014年 製作国:アメリカ


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